設定備忘録

物語の設定が思いついたら書く、もはや設定ですらないものも

嘘つきの春ねこ

「嘘つきの春ねこ」

○公園のブランコ (夜)
並んでブランコに座る
、コート姿の男女
キィキィとブランコの音

穂村春(21),
杉菜理沙(22)
どことなく緊張感が流れる。
杉菜の様子を伺っている穂村。
杉菜「正直に言うとね。」
穂村「う、うん。」
杉菜「嘘、つかれてたみたいだって思った。」

○穂村の住むアパート
穂村「うわぁあぁぁ。」
目覚まし時計を止める春
布団の中で横を向いたり、左を向いたりして悶絶している。ピタッと止まるがま
た暴れたりしている。

○同 部屋全体
映画のフライヤーが貼ってあったり、プロジェクターが映してあったり、にわかに映画好きっぽい感じ。加えて豚の貯金箱が置いてあったりとサブカル好きな様子が伺える。
穂村「(ブツブツと)大丈夫、大丈夫。二年は立ってる。あれから。今は普通に電話だってしてるし。友達、友達。」
穂村、また時計を見て、少し急いだ感じでカバンの中身を覗いて、服を着替えている。
青春18切符を財布が財布の中にあることを指さし確認する。
穂村「よーし!!」
スマホを手にとる。開くと退職後の手続きと書かれたサイトや奨学金返済の一時停止と書かれたサイトのタブが開かれている。
穂村「あぁ、今はいいこんなの!!」
シャッシャッとタブを削除する春。
電車の乗り換えアプリを開いて時間を見る。
そろそろ行くかとつぶやき、家を出る。

国分寺の駅周りの街並みあって

国分寺駅構内
のそのそと駅前を歩いている穂村。
電光掲示板を見ると先ほどの出発の時間が迫っている。一瞬急ごうとするが、
穂村「まぁ、そんなに今はそんなに急がなくていいか。」と再び改札まで再び、のそのそ歩く。
その先では急いでいるサラリーマンが改札で止められていて騒いでいる。口調は丁寧だが声が大きくイライラしている様子が伝わってくる。穂村あーやだやだという顔をする。
穂村「(まぁ、俺も最近まで朝余裕なかったか。)」
改札を通ろうとすると、18切符が通らず、穂村も窓口に。

○電車内 東京都内
朝が早いにもかかわらず電車の中はスーツの人達、みんな寝ていて、大変だよなぁと穂村。穂村だけ楽しそうに、そとを眺めたり、つり革を両手で掴んでぶらぶらしている。

熱海駅 お土産売り場
お土産を見ている穂村。最初はおしゃれな包装の土産を見ていたがちらちらとキーホルダーのコーナーが気になる様子。
子連れの親子がいる。くだらないの系キーホルダーを子どもが触って遊んでいる。押すと目が飛び出るやつだ。楽しそうに遊んでおねだりする子ども。
母親「こんなにくだらない物要らないからね、はいはい」となだめる母親。
穂村が後ろに立っていることに気づく母親。邪魔なのかと思ってあら、すいません。と、そこを退く。
通らずにさっきまで子どもが遊んでいた人形を取る穂村。何とも言えない顔をする親子。

○電車内 静岡駅付近
電車内の人たちを見つめる穂村。スーツ姿のサラリーマンが複数人いてここも似たようなもんでみんな頑張って働いてるなと見渡す穂村。

○電車からの眺めを楽しむ穂村のモンタージュ駅名をアップしながらいくつかあって
電車の中を映画を見たり
日記を書いて見たり
京都で行きたいところをみたりして過ごす」穂村

○電車内 関ケ原駅
穂村「うわぁ、こんな名前の駅あったのか!!」と謎の感動を覚えて駅名を写メる穂村。座っていると、子どもがじーっと見ている。気づくと電車内は少し混んでいる。4人家族の母親だけが座っていて、子どもが座りたそうにこっちを見ているのだ。母親が膝の上に乗せようとするが嫌がって乗らない。そして、またじーっとこっちを見るだ。
穂村「あのー、すわりますか。」
母「いえ、大丈夫ですからー。」と笑顔で人が好さそうに答える。
そしてまたじーっと見ている子ども。
ねーすわりたーいーと言い出す。
穂村いたたまれなくなり。
穂村「あのー、ほんとに代わりますよ」
父「大丈夫ですから、お座りください。」とまたも爽やかに断る
穂村「はは・・・」とは言え気まずそう。

○電車内 電車が止まる
穂村「お、おりますから。どうぞ。」といって車両を変える。
穂村「ふぅ~。」

○電車内
穂村、ラインで杉菜に連絡している。
穂村:そろそろ京都駅着きそう。
穂村:スタンプ

○穂村の妄想
杉菜:うん、私ももうすぐ仕事終わりそう。一緒にご飯でも食べる?
穂村:イエス、イエス、イエス!!
穂村:スタンプ
ほわほわしていると京都駅に着いたとアナウンスが入る。

○京都駅前
穂村、携帯を確認する。
杉菜からは連絡はない。
まぁ、そうだよね。とつぶやく穂村。

○京都駅バス乗り場 (回想)
京都駅の喧騒の中、大学の時のことを思い出す。複数人で遊んでいる。
帰りのバスらしきものに乗っていては穂村は泣きそう。
(回想終わり)
駅構内のお土産屋を歩いている穂村。
京都タワーとアクアショーを見る。
風鈴が外に吊るしてあり風情を感じる。
穂村楽しそうな顔。

○ネカフェ
穂村が入店すると、店員が深めにフードをかぶっている。
いらっしゃいませと普通に言われてびっくりする穂村。
穂村と店員のえ?え?と無駄な押し問答のやり取り。

伏見稲荷大社駅の看板

○ コンビニ (朝)
穂村はコンビニで立ち読みしながら杉菜を待っている。
が、入ってくる客や、通って来る客を凝視している。
穂村M「いかん、いかん食い気味はキモイ。」

○少し時間が経って 同コンビニ
外から手を振る杉菜、穂村は結局本に集中してしまって来たことに気づいてない。
(あだち充の夏のらくがき)。
杉菜の服装は特にこだわりがあるとも言えない、落ち着いた感じの服装。
店内に入って来る杉菜
杉菜「久しぶり。」
穂村「おっ。」
穂村M「まじかよ。前よりもっと綺麗になってる。」
穂村緊張して、一瞬固まる。
穂村「(動揺がばれないように平静を装って)また痩せたんじゃない。ハハハ笑」
杉菜「別に変わんないよ。(微笑)」
笑ってくれたことが嬉しくて穂村も笑う。
伏見稲荷までを歩く二人
談笑しながら歩いている。
穂村「それでさ・・・」
杉菜「あ、五円」
穂村「え?え?どこに」
そう言っている瞬間にもう杉菜かがんで五円を拾っている。
杉菜「ほら。」
穂村「そういう、急に気づくみたいな、謎なとこあるよなぁ~。」
杉菜拾った五円をお土産屋に返そうとするが、店員さんがいないので、レジ台に置いて返そうとする。
杉菜「ここじゃ気づかないかな。」
しゃっしゃっと奥に五円を押し込む杉菜。
穂村「(ぼそっと)逆に困惑しそうなもんだけど。」
と、後ろから笑顔で杉菜を見ている。

伏見稲荷 
伏見稲荷を参拝している二人。
長い階段の前にたどり着く。

穂村「(いじわるそうな茶化した顔)すぐ疲れちゃうんじゃないのー?」
杉菜「・・・・。」
だが、中腹ごろまで進んだところで杉菜は息も切らさず大して汗もかいていない。
一方、穂村は汗もそこそこに息も絶え絶えになっている。
穂村「さすが介護職・・・、体力あるね。」
杉菜「・・・(微笑)、他のとこも行きたいんだよね。全部は登れなそうだね。そろそろ降りよっか。」
穂村「(全力の)うん!!次は映画村に。」
杉菜「そうだったね。私もまだちゃんとまわれたことないんだ。」
穂村「へーっそうなんだねー、へぇへぇ。」となんか嬉しそうな穂村。
○電車の全体像が映って
花園駅の看板
駅から降りて映画村まで歩く、マップまで出る道のりで歩くと住宅街ばかり。こんな先にあるのかなぁと思いきょろきょろする穂村。
○大学時代の思い出
穂村「貴船神社はこっちだね。」
杉菜を含めた友達複数人「ほんとにこんなとこ歩くのー??」と口々に言いあっている。
それを怪訝そうに眺める通りすがりにおばあちゃん。
穂村「(思えば行く途中にあったあのおばあさんの怪訝そうな顔で気が付くべきだったんだよな)」
たどり着いた貴船神社は、結局別の貴船神社
しかし記念にと写真を撮っている。写真で回想フェードアウト。
○同 映画村への道中
杉菜も思い出してるのか笑う
杉菜「私もあそこ今、行き方わかんないんだよね。(微笑)調べてもすぐ出ないからさ。」
穂村「あぁ(情けない気持ちで)、 あはは(苦笑)。
○映画村につく
入るとすぐのイベントブースに顔ハメ看板がある。
穂村「(冗談で本気で言ってない感じで)ちょっとはめてみてよー。」
杉菜、無言。
穂村が冗談だよと言おうとしてると、杉菜がとことこと顔ハメ看板に。驚きながらも意外に乗ってくれる杉菜に嬉しい穂村。笑顔。
穂村、パシャパシャ写真を撮っている。
その後逆にとられたりして、映画村内を進む。
穂村、アトラクションに一緒に行きたくてそのタイミングを計っている。
穂村「(平静を装った感じで)アトラクションの券があるんだって。回数券の方がちょっと安いみたい。買おっか。」
杉菜「うー、うん。」
穂村、隠れてガッツポーズ。パンフレットにあるお化け屋敷をポンポンとデコピンでつつく。
○同 映画村内を楽しむモンタージュ
○お化け屋敷の前
杉菜「ねー、ほんとに入るの。」
穂村「入ります。だって券あまってるしさ。俺お化け屋敷大好きでさ。もうほんと。」
杉菜「うー、うん。わかった。」
穂村またガッツポーズ
○お化け屋敷の中
穂村・杉菜「うわー、うわー」と騒いでいる。
杉菜「ほんまこわい」
杉菜「やめてー」
と関西弁が全開になっている。
穂村、可愛いなと思いつつ、怖いふりしてちょっとだけくっつこうと思っていたらほんとに怖くて意図せずくっつく形になる。
お化け屋敷を出たときにまだ距離が近くておおっと、意識して離れる穂村。
特に杉菜は意識していないので??というような反応。
○バス 
バスに乗って移動している二人
バスの中で映画村内で撮った写真を見ながら穂村、トリックアートにしとけばもっと写真撮れたかなぁなんて思って。
パンフレットを見て、トリックアートにデコピン。
渡月橋前のバス停
降りてすぐの川を見る。
穂村「おお、めっちゃきれいじゃん。」
桂川渡月橋の綺麗な姿に感動を覚える穂村。
杉菜「ほんとだねー。今日は人少ないし、ちょうどいい感じだね。」
穂村・杉菜「おなかが鳴る」
二人、あ、と言って顔を見合わせて笑う。
○ 渡月橋周辺を歩いている
食べ歩きできる物を買ってきている二人。
穂村はテンションが上がって、執拗に写真を撮ろうとしている。杉菜それが面白いのか何なのか協力的。
買ってきたものがおいしすぎて感動する穂村。
杉菜「そういえば、彼氏の実家この辺なんだよね」
穂村「まじ!!ちょっと気まずいな(苦笑)」
杉菜「(本当に何故かわかっていない様子で」)なんで??」
穂村「(一瞬びっくりするが、そうか、そうだったなという顔で)いや別に(微笑)」
○ 天龍寺、お土産街を楽しむモンタージュ
○ 渡月橋を歩いている
一緒に歩いている。綺麗だとか、桂川の感想だと雑談して。渡り切る。
渡り切った後、河川敷を少し歩く。
昔、河川敷を一緒に散歩したことを思い出し、告白した時のことを思い出している穂村。
○ 回想
河川敷で犬の散歩をしている二人。
穂村は何か言いたそうにしているが結局何も言えない。
結局河川敷では何も言えずに、杉菜の家で犬を触っている。結局犬を背に何か言っている。
ちょっと考えさせてと杉菜。
そうこうしていると、杉菜の父親が帰ってきていて気まずい穂村。
○ 回想終わり 同 河川敷
穂村、少し立ち止まる。後ろから杉菜に声をかける。
穂村「あのさぁ」
杉菜「…なに?」
穂村「(我に返り)えあ、いや。(意味深な様子とかでもなく)ちょっと休憩するか。」
ベンチに座っている。
穂村、カバンをゴソゴソしながら
お土産を渡す。
ちゃんとしたお菓子と押すと目が飛び出る、くだらないキーホルダー。
杉菜はキーホルダーをその場でカバンにつけてくれてプニプニしていてくれている。
結構長いこと触っているので穂村は気に入ってくれたのかとうれしそうな顔。
穂村「いいねぇ、京都、渡月橋。ずっといられる気がする。」
河原で遊ぶ人たちを見てほのぼのとする穂村。
杉菜「そうだねぇー。…京都に住んだら?
穂村「(一瞬ドキッとするが)、まぁ、それはほらなんだ、やっぱ求人とか向こうのが多いし!
杉菜「(少し残念そうに)そっか。」
穂村「あっ、えっと、そろそろいくか。」
杉菜「うん。」
○ 渡月橋を渡り切るまでのモンタージュ
営業行為禁止って書いてるのに、
その看板の横で堂々と演奏する外人を撮ったり、鳥や風景を見てなかなか渡り切らない。
○ 渡り切って お土産街
穂村「そういやさ、ともえさん誕生日やったよね。」
杉菜「あー、そうだったね」
穂村「一緒に誕生日プレゼントさがさない?別々のを一緒に送ってさ、どっちがどれ送ったのかを当ててもらうおうよ。」
杉菜「いいよ(微笑かつ嬉しそう。)
二人、お土産をうろうろしてあれでもない、これでもないと見ている。
行ったり来たりついには駅の方まで行って戻ってきたり。
途中、おやつを食べ歩いたりしながら、
夕方になってようやく買いたいものを決める。
よし!!じゃ、決めたと商品を買いに行こうとする。穂村。
杉菜も私はあっちの店でと買いに行くが、
店が閉まっていてお互い買えない。
笑いあって
また買うものを探す。
その時々に杉菜がこれ買っていいかな?と自分用の買い物を穂村に聞く、穂村は別にそれを買うというわけでもないが聞かれることが何か嬉しい。
そうこうしていると、二人ともプレゼントが決まっていて。よし、と駅に向かう。
○ 京都駅
エスカレーターをあがりながら
穂村が最近いい感じになっていたが、ふられそうになっている
女の人の話をしかけるが、途中でやめる穂村。杉菜の無感情な顔を見て、話をやめる。
穂村「やっぱいいや。」
杉菜「ちゃんときいてるよ。」
穂村「・・・あ、お店着いたよ。」
飲食店に入る。
○コーヒーショップ
友達への手紙を駅近くのコーヒー店で書いている。
杉菜、手紙を書いているちょっとだけ静かな雰囲気。穂村書いている杉菜を眺めている。
書き順や、変な観光スポットの話で盛り上がっている。
店が閉まる時間になる

出たゴミを集める穂村。
ゴミを集めていたら気になって自分のものじゃないゴミも拾ってしまう。
穂村いいことをしてるが気恥ずかしくなって
穂村「あーもう、一回拾うと気になるよなー!」
優しい笑顔でいる杉菜。
京都駅のエスカレーターに向かう
穂村ちょっとだけ歩く速度を遅くする。
エスカレーター
穂村、杉菜が見ているような気がする。
が、何も言わない。
○改札の少し前
穂村「じゃ、俺泊まるとこあっちだから。」
杉菜「うん」
穂村「杉菜さん、最後に一枚!!」
杉菜「いいよ。」
と言ってポーズを撮ってくれる杉菜。
写真を撮って、
穂村「ありがとう。」
穂村「・・・じゃっ。」っと帰る。
理沙「うん」
理沙は改札に消えていく。
春は微笑みながら京都駅の階段を降りていくのだった。
穂村M「思い出だけをちょっと増やして進んでいく。
そんなことを繰り返しながら進んでいくだけなんだろうな。
寂しさを埋めるように人に会ったりして、それで結局その後に待っているのは普通に生きて頑張っていくことだ。
大きな変化は怖くて踏み出せなくても、ちいさな一歩が思い出をくれて、生きる糧になってくれるような気がしている。」
○ 一か月後 モンタージュ
実家で7回忌など済ませ友人たちと遊んでいる。
○実家のソファーに寝転んでいる
東京に戻ろうとしていた穂村は、友人と遊んだ写真を杉菜に送る。
杉菜とちょっとした雑談が続く。
雑談ののち、いつ帰るのと連絡が来てもう京都による予定はない?
と連絡が来る。
穂村はびっくりしてソファーから転げ落ちる。
家族、なにやってんだか、というような反応。
嬉しくなった春は予定などないものの、
明後日に再び京都に行くことを決める。

○ 当日朝
○バスに乗って移動している穂村

バスはスーツの人達でいっぱいで、どこでも同じだよなぁと思う。
○ 京都駅 西口改札周辺
穂村M「またすぐここに来るなんて」
改札から杉菜が出て来る。

やぁ、と手を振り合う。

宇治駅の全貌
ランチを食べる2人、
メニューを見ながら
穂村「鳥南蛮って、チキン南蛮みたいな感じかな。」
杉菜「んー、違うんじゃない。」
穂村「まぁわざわざ鳥南蛮て書いてるくらいだしな。」
春は茶そば
杉菜は鳥南蛮を注文する。
しばらくして料理が来る。鳥南蛮が普通のチキン南蛮で顔を見合わせて笑う。
茶そばを食べながら、
穂村「意外と茶の味がしない。」
穂村「ちょっといる?」
杉菜「うん。」
穂村、珍しいなと思ってちょっとドキ。
穂村の顔を見ながら杉菜が食べる。
杉菜「確かに味無いね。(微笑)」
手際よく綺麗に食べている二人。
食事中に会話のない雰囲気に穂村が慣れている。
穂村「今日さ、朝行くところ調べてたんだけどね。天橋立ってところがあって。」
杉菜「うん」
穂村「京都から時間かかりすぎて、あきらめた笑」
杉菜「あー、そういえばお父さんが行ったって言ってた。確か、日本三景・・・だったかな。」
穂村「ほへー。」
食べ終わって伝票を見ると、ボールペンのインクが切れているのかご飯小の文字を上から何回か重ね書きしていた跡がある。
杉菜「何回も上から書いてるんだろうね。」
穂村「なんかいいよね、こういうの笑」
杉菜「うん笑」
そのまま、すいませんと会計をする。
昼ごはんは遅れたしと、杉菜が奢るという。穂村もいやいやと断るが杉菜が頑なに払う。

○ 平等院鳳凰堂までの道 
○ 平等院鳳凰堂中、その周辺のモンタージュ
10円と重ねたりして写真を撮っている
配管案内の係りの人の日傘の柄がちょっと現代風でおしゃれだったりして笑う。
ミュージアムでは菩薩のポーズや表情が面白くて二人で笑っている。

飾られている写真にメッセージが入っている。
杉菜「これ意味わかる?」
穂村「・・・わからない、杉菜さんは?」
杉菜「わからない。」
二人「ふふふふ。」
穂村「あっ、これは少しわかりやすい。」
杉菜「ほんとだ笑」
○ 近くの小さな茶屋
グリーンティーを飲んでいる。
穂村「あまぁ。」
杉菜「だねぇ笑」
平等院参道の橋を渡る。
川を見ながら
穂村「結構流れ早いよね」
杉菜「はやいはやい笑」
宇治神社
拝観を済ませると、うさぎの御神籤を買っている。
○ 紫式部ミュージアムに向かっている道中の休憩所
宇治神社に置いてあったあるよくある質問の紙を読んでいる。
穂村「えーと、御神籤とは今この瞬間を占う訳ではなく、自分でどの期間を占いたいか決めて引くものです。そしてそれが終わると近くの神社結びに結びに行きます。だってさ 。」
杉菜はうんうんと、相槌を打っている。
穂村「おーけー?」
杉菜「うん。」
携帯を構えてほら、出してと杉菜が御神籤を出すのをうながす。

穂村「どのくらいまでのことを願ったの?」
杉菜「うーん、半年くらい。」
どんなことを祈っているんだろうか、単純に半年だけ先のことを考えているんだろうか、中は中吉だった。
御神籤に書かれていることをまじまじと読んでいる。
杉菜「はい、じゃ次」
穂村「あ、はい。」
杉菜「どんくらいのこと考えてる?」
穂村「(本当は今回の京都旅行だけど)やっぱここ最近かな。」
杉菜「ふむ。」
穂村の番おみくじを開ける
杉菜が動画を構えている。
結果は大吉。
どこか嬉しそうな杉菜、
穂村「なんで杉菜さんが嬉しそうなのさ(という穂村も嬉しそう)」
杉菜「はは。」
書かれた内容を読んでいる。大吉の割には平凡なことが書かれていて。
杉菜「(嫌味のない感じで、)私の方がいいこと書いてあるね。」
穂村「またそういうこと言う笑」
という杉菜にツッコミを入れる。
○ 宇治周辺のモンタージュ
「1人ぐらいと思う気持ちがゴミの山」
と書かれた標語看板がやけに恨み説がこもっていて笑う。
源氏物語ミュージアム
映像を見たりするが春は途中で、話がわからなくなり、結局杉菜に説明してもらうと言う顛末。
○ 来た道を戻っている
浮雲で飛び込んでいた橋を見つけて指をさしたりしている。
ムラサキ式部をとっている観光客に混じって春も写真を撮る。
穂村「あの人たちは何かわかってとっているのかな。」
○カフェ
穂村、ぐったりしている様子。杉菜は顔色ひとつ変えていない。
穂村心の声、さすがタフだね。
杉菜「今日はあとあれだよね、鴨川デルタ。」
穂村「そう。あとそれだけいければ満足。」
抹茶パフェを食べている。
○同カフェ パフェを食べ終わっていて
穂村「(まだ、ばて気味)まだすこしゆっくりしてもいいかな。」
杉菜「いいよ。」
杉菜「あのさ、」
穂村「ん?」
杉菜「ほむは今日帰るの?」
穂村「いや、流石に今日は泊まっていくよ。」
杉菜「明日は何時くらいに?」
穂村「(遊べるのかとちょっと期待していて)」別に時間決めてないよ。」
杉菜「私も明日何もないんだ。」
穂村「(平静を装っているが、嬉しそう)ご飯でも食べる?」
杉菜「いや、天橋立いけるかなって思って。」
穂村「(びっくりして、顔を上げる。)え、まじか!でも遠かったよね、行けるかなぁ。」
そういいつつ素早く携帯を取り出す穂村
調べていて。
穂村「あ、これ」
財布から青春18切符を取り出す。
穂村「2回分余ってるから使おう。」
杉菜「おー」
暫くして
穂村「(無理だよなという感じで)時間的に始発くらいので行って4時くらいに帰れればいいけど大丈夫?」
杉菜「うーん、結構移動もかかるね。でも行けなくはないか!」
穂村、ガッツポーズ。
杉菜も更に調べだす。
スマホを開いたことで時間が目に入る。
杉菜「あっ、鴨川デルタ!着く頃にはもう暗いかも。」
時間的に6時前。しかし空も少し曇っている。
そろそろと、天橋立の話は半分で出る。
○ 宇治駅周辺
外は雨が降っていた。
春は傘を忘れていることに気づく。
穂村「うあっ、傘忘れたわ・・・。」
杉菜「店?」
穂村「いや、それより前だな・・・、取りに行くのもあれだしもうコンビニで買おうかな。」
杉菜「や。このくらいならいらないんじゃないかな。」
すこしだけ。春に傘を傾けてくれる。
嬉しいのと照れるのと気を使っている穂村。
○ 回想 に穂村の声
穂村「どうでもいい話なんだけどさ、大学生の時にすごい暴風雨の中歩くことがあってさ。前におしゃれそうな女の人が歩いてるの。もうほんとにすごい風でさ、女の人の傘が折れたんだよね。それでさ、ふふふ、どうしたと思う。」
杉菜「えーなになに。」
穂村「ゴミ捨て場の壊れた傘をぶっさして、すたすたあるいてったのよ。女の人って強かだよなぁってそん時思ったよ。動揺ゼロだったもん、普通に歩いていってさ。」
杉菜「ふふ」
穂村、プチ相合傘してる時に話す内容じゃないよなぁといったそばから後悔していて。
穂村「なんの話だってね」
杉菜「笑」
いつの間にか雨が止んでいる。手を傘の外に出して杉菜。
杉菜「ほら、止んだ。(笑顔)」
穂村「(残念そうに)さすが笑。」
○ 宇治駅
穂村「駅、見た目かっこいいなー。」
前になぜか1人で爆笑する高校生。よくわからないねと2人で顔を見合わせて笑う。
○ 宇治駅

宇治駅で電車を待っていると空き地に猫が見える。定位置を探しているようで。すこし進んでは止まったりしていて、なんだか面白い。それを二人で楽しそうに見ている。
杉菜「あ、これ。」
杉菜が携帯を雨宿りしている猫の写真を見せてくれる。
それは二匹揃って雨宿りしている猫の写真。
穂村「可愛いね。」
杉菜「もっと、近くで撮りたいと思ったんだけどね、これより先は威嚇されて無理だった。」
穂村「場所とられるって思ったのかな(笑)」
杉菜「ふふ」
電車が来る。
○ 鴨川デルタ
鴨川デルタを渡ろうとする二人。
穂村「うわー、結構隙間あるねここ。」
杉菜「ね。」
杉菜が先に行く。
後ろからこえー、こえーと何回も言っている穂村。
杉菜も恐る恐るだが進んでいく。
穂村が写真を撮ろうとする。
暗い中だからか杉菜は、珍しく手を振ったりしている。
○ 渡り終わって中腹
中腹を歩きながら、
杉菜「ドキドキしたねー。」
穂村「(別の意味でね、と照れながら)うん。」
杉菜「あ、ベンチ見て。」
見ると松ぼっくりが並べてあって。
杉菜「なんで並べてるんだろう。可愛いね。」
穂村「あ、明日の話もあるしちょっと座ろうか。」
松ぼっくりのおかげですこしだけ詰めて座れる穂村。小さくガッツポーズ。

○ 2人楽しそうに話してる感じ
○ 穂村電車に乗って帰っている
○ 次の日、京都駅
西口で待っている穂村、
時間通りにくる杉菜。
ホームの向こう側で手招きする。
青春18切符を出して、一回こっちに来てと穂村 。
○ 電車内 モンタージュ
読書用にと杉菜が買っていた本は星の王子様だった。
穂村「(星の王子様は最初に買った本だったなぁ。何か嬉しい)」
二人、寝たり少し話したりして寝ている。
しばらくして、
電車の中でバナナを食べる男の人を見つける杉菜何故か笑ってしまう杉菜。
杉菜「チョコクッキーを食べてたけど、足りなかったみたい笑」
前の親子も眠りにつく頃には
みんな寝ていた。

乗り換えた電車の1つのカーテンが簾のようになっていて趣きを感じた。
○ 天橋立駅
駅のそばには知恵の輪があってすごく映えていた。
天橋立は松林を挟んで観光地が形成されている。
春は傘松公園から先に見て回ることにしたので、その移動として遊覧船を選んだ。

モーターボートもあるよ、というと
モーターボートはちょっと恥ずかしいといわれ、遊覧船に。

遊覧船の乗り場の前には知恵の輪?があった

くぐると良いと書いてあったが、3回回ればいいとどこかに書いてあったような気がしてるぐるぐるとその話の周りを回った。

また遊覧船の前には旋回する橋がありそれまたみてておおってなった。
○ 遊覧船
カモメに餌をあげる春。

最初はやり方が分からなかったがコツを掴む春
それを楽しそうに撮影する杉菜
春が餌をあげ終わって撮影しようとすると、カモメもういなかった。
そんなことをしているうちに船は目的地についていた。
○ 笠松公園までのモンタージュ
傘松の、展望台には、神社を経由して行く。神社のおじさんはとても穏やかそうな人で他の観光客に声をかけている。
その姿をみてほのぼのする二人。
水琴窟を楽しむ二人。
神社を進むと亀がいる池?があった。
穏やかそうに泳いだり固まっているカメに、餌ないねーと杉菜。

さらに進んだ先に、ちょっとした観光地のお土産屋が並ぶ。ハリセンボンのおもちゃが売ってあって、触って遊ぶ子ども痛がってる。それを微笑ましく見るお母さん。
○ リフト乗り場
パワスポポストというポストも近くにある。
穂村「リフトとケーブルカーがあるね。リフトは?」
杉菜「リフト、ちょっと怖いんだよね。降りる。乗り降りのね。タイミングがわからない。」
穂村「(杉菜の怖がりな面を可愛く面白く思って)よし、じゃあリフト。」
杉菜、ええ、ほんとにー?というちょっと怪訝そうな顔だが。
杉菜「うーん、乗ってみるか。」
○ リフトに乗っている
リフトに乗っている間写真を撮ったり撮らなかったり。振り返ると杉菜が手を振るからそれが嬉しい春。

○ 笠松公園展望台 モンタージュ
昼ごはんレストランでご飯を食べる。
占いマシーンがあったので引いていたりして。
左足から歩き始めるといいらしい。
杉菜の股覗きが長くて面白い。
かわらなげなどやっていて。
石造のゆるきゃら、かさぼうと一緒に写真を撮ったりしている。
○ 笠松公園 更に歩いて上に上がっている
自販機にめがけて頑張って歩いてる二人。
上には小屋があり、座っている二人、いい感じに蝉の声や風が吹いている。
夏を静かに感じている。
しばらくして。
穂村「そろそろ行こうか。」
杉菜「うん。」
穂村「あ、ここで写真撮ってもいい?」
杉菜、うーんと考えて。
昨日の仏像ポーズを撮る。
それはとても可愛いというようなポーズでもないが可愛く見えて。嬉しい穂村。
○ リフト乗り場
杉菜「上の方にはいかなくていいの?」
穂村「いい。前はこういう時にね、全部行くんだー制覇するんだっていう気持ちが強かったんだけどさ。あえて行ってない場所を作るのもいいんじゃないかなって。そうしたら、また来るきっかけになるでしょ。」
杉菜「あー(考えている様子で)、確かにね。(笑顔)」
歩いていると、かさぼうの空気でつくった人形がある。
杉菜「カラーになると微妙だね。」
穂村「また、そういうこという(笑)まぁ、石像には負けるけどさ。」
といいつつ、写真を撮ってもらう穂村
○ タイムラプスでリフト、楽しそう
○ 松林で自転車を楽しそうにこぐ二人

穂村「高校時代が懐かしいわ。そのピーンとなってる背筋が懐かしい。」
杉菜「なってる?そんなピーンて。」

松林の中には塩水の湧かない水があったり、他の人たちと挨拶したりされたりしあっている。

○ お土産屋
穂村が店内から、かき氷を持っている杉菜を呼ぶ。
杉菜が来る。
穂村「店員さんがこっちで食べていいって。」
杉菜「優しいね。」
店員さんの方を見てありがとうございますと杉菜。
二人で店内のベンチに座る。
杉菜、食べるかき氷のしゃりしゃりしゃりと上から崩している。
穂村「いいね、その音。」
スマホで録音する穂村
杉菜がまたしゃりしゃりする。
穂村、杉菜「ふふ」

○ リフトの乗り場
係りの人「ケーブルカー中は30度くらいありますけどどうします。」
杉菜、穂村「リフトで。」
同時に言ったことが面白くて二人、笑う。
○ ビューランド モンタージュ
杉菜はまたも股覗きをしていたが、またその時間も長くて笑う穂村。
螺旋階段。

○ 同 ビューランド
穂村「堪能したねぇ。」
杉菜「うん。」
穂村「じゃあ、あれに乗りましょうか。」
ケーブルカーのアトラクションを指さす。
杉菜「ええ、怖そう。」
穂村「いや、あれだけは乗りたいです。」
杉菜「うー、うん。
穂村ガッツポーズ。
となり同士だ。距離が近い。
穂村「全然漕がないね。」
杉菜「こわい。」
杉菜が高いところが怖いらしい。が楽しそうな二人。風景を指さしたりしている。
髪が風になびく杉菜を印象的に見る穂村。

○ 同 ビューランド
杉菜「思い残すことはもうない?」
穂村「(あるといえばあるが悟られないくらいの表情)うん。杉菜さんは?」
杉菜「ないよ(笑)」
穂村「・・・帰ろうか。」
杉菜「うん。」
○ 帰りの電車内
杉菜は疲れているようで寝ている。
乗り換えた電車の1つは冷房ではなく、窓を開けるタイプの電車だった。
風になびく杉菜の顔をチラチラ見ている。
杉菜起きて、穂村何事もなかったような顔。
杉菜「はいこれ、18切符の交通費。」
いやいい、と押し問答をするが頑なに渡す杉菜に根負けする穂村。
○ ご飯を食べているモンタージュ、穂村が会計時に多めに出している。
○ 京都駅
新幹線乗り場に向けて歩いている二人。

杉菜「ほむは京都にすまないの?」
穂村「・・・!!」
杉菜「ああ、住まないっていってたよね。」
穂村「(明らかに動揺しているが)あ、あぁ。いいところだけどね京都。」
春はなんでもないようなふりして改札に向かう。
穂村「じゃ、じゃね。」
杉菜「私ね、買い物して帰る。」
穂村「うん。」
前回送ったのと逆の形になり、春は1人で改札を通り帰る。
穂村、振り返る。が、ちょうど他の人が重なって確認できない。
穂村寂しいような嬉しいような顔で。

 

 

続・嘘つきの春猫

「続・嘘つきの春猫」

○京都駅・ミスドテラス席

穂村春(24)テラス席に座っている。
春「うー。」
春、寒くて前に屈み、テーブルの下から暖かい空気が流れていることに気づく。
春「あったか・・・」
暖を取るように手をかざす。
ラインの通知音。
春、携帯をポケットから取り出し、画面を見る。
杉菜「ごめん!! 、今何してる?」
春、ほっとした表情で、ラインを返している。
春、携帯をテーブルの上に置く。
ぼーっとした表情でコーヒーにシロップ、ミルクを全部入れる。
春、あまぁ・・・という顔。

○同・エスカレーター

杉菜「あの・・・、ごめん。目覚ましかけたんだけど、あぁ・・・。ごめん」
春「ほんとだよー。・・・って、全然いいよ。それより、お腹すいてない?」
杉菜「・・・空いてる」
春「じゃあ、食べてから行こう。行きたいところあるんだよね。」
杉菜「うん。」

○同・飲食店内前

2人、外の食品サンプルを見ている。
春「これこれー、これが食べたくてさぁ。」
春、豆腐がメインのおばんざい定食を指さしている。
杉菜、意外そうな顔で見ている。
春「最近やっと、肉肉!! みたいのから外れてきた」
杉菜、微笑。
春「(微笑で返して)ここでいい?」
杉菜「うん」

○同・飲食店内

メニューが並んでいる。
春、店の前で指さしていたものとは別の、魚の定食を見て。
春「・・・やっぱり魚もおいしそうだね。」
杉菜「(微笑)、そうだねぇ。どうする?」
春「でも、やっぱりここはヘルシーに行く!」
杉菜「じゃあ、私は魚の方に。」

○同・飲食店内

定食が置かれている杉菜、写真を撮っている。
杉菜「一緒に笑」
といって、ご飯と一緒に春を映す。
少し嬉しそうな春
春「じゃあ、俺も」
といって、杉菜と、食事を撮る。
春「じゃあ、いただきます」
杉菜「いただきます」
杉菜「ほむ、魚、食べる?」
春「え、ありがとう。」
春、何か代わりにあげようと自分の定食をえーっとみる。
春「・・・湯葉いる?」
杉菜「大丈夫。」

○同・飲食店内~レジ

春「じゃあ、そろそろ行こうか。」
杉菜「うん、遅れたし出すからね。」
立ち上がってレジに向かう二人
春「べつにいいよー」
杉菜「いや、出す」
春「わかったよ、お言葉に甘える」

○バス停

春「三十三間堂って、京都駅から歩いても20分くらいだった、バスだったらきっとすぐだね」
杉菜「うん。私の友達でバイトしてた人がいてね、自転車で行ってたって。」
春「京都駅から?」
杉菜「んーん、伏見区の・・・どこだったかな」
春「伏見区か、流石に遠くない?」
杉菜「そうでもないみたい。電車とかだと、遠く感じるけど、まっすぐ行けるしさ。」
春「へー、あ、バス来た。」

○バス

距離が近いので春、嬉しそう。外を見るふりをして横顔を見たりしている。
杉菜は特にそんな様子もなく。

三十三間堂・室内

仏像の真似をしたり、顔大きいね、小顔だねと他愛もない話をして歩いている。
修学旅行生らしき、女生徒がガイドのおじさんに声をかけられて、しぶしぶ千手観音坐像の前に座らされている。
別の方に目をやると、男子学生4人組が話を聞かされている。明らかに聞いてない、2人。一応興味ありげに素直に聞いている2人。
春「いるよね、あーいう時、絶対聞き役になってしまう人・・・」
杉菜「ホントに興味あるならいいんだけどね。ガイドの人も仕事だから、説明しないわけにもいかないっていう」
春「なんともいえないやつね」
杉菜「ね」

○同・屋外

日が出ている。
春「うわ、めちゃくちゃあったかい。」
杉菜「中、さむかったね」
春「京都なめてたわ、こんな薄いのしか持ってきてない」
春、薄手のカーディガンを着ていて、寒そう。
杉菜「私も、衣替えしたからヒートテックとか、全部しまっててね。寒い。」
春「そうなのか、本当、太陽様様だわ。」
春、杉菜太陽の方に薄目で顔を向ける。
春「あっ」
春、八重桜が咲いているのに目をやる。
春「これって桜かな? 梅?」
杉菜「うーん、あー。書いてる。」
杉菜、看板を指さす。
春「やえざくら。あぁ、桜なんだ。」
杉菜「遅咲きのなんだね。」
春「ありがたい。・・・大河ドラマであったねぇ。」
杉菜「懐かしい(笑)」

○バス停付近

春「これからどうするか会議していい?」
杉菜「うん」
春「下賀茂神社の方に、みたらし団子の発祥のお店があるみたいなんだけどさ」
杉菜「へー」
春「・・・みたらし団子好き?」
杉菜「んんー。好きではないけど、食べられるよ。」
春「じゃあまぁ、あれか。それと、割と近くだと、高台寺がある。」
杉菜「うんうん」
春「でも、時間が微妙でさ、最終入場が5時。夜はライトアップされるらしい。」
杉菜「入ってから、暗くなるまであれかー。うーん。どうする?」
春「高台寺でもいいかなって思うってるんだけど・・・」
杉菜「みたらし団子はいいの?」
春「大丈夫?」
杉菜「うん、あったかいのなら好きかも笑」
春「なにそれ」
春・杉菜「ふふふ」
春「じゃあ、下賀茂神社でお願いします。みたらし好きになるといいね」
杉菜「おっけー」

○電車内

特に会話もなくぼーっと座っている、二人。数秒あって。春、思い出したように。
春「あれ、出町柳って鴨川デルタ?」
杉菜「そうそう。」
春「なるほど、こないだ来たときは位置関係が全然わかってなくてさ。」
杉菜、笑顔
春「案内丸投げしてごめんかった」
杉菜「いいよ。」
杉菜「あっ、下賀茂神社あれだよ。こないだいってたアニメの、畳・・・」
春「四畳半神話大系??」
杉菜「そう、あれに出て無かった?」
春「そうだっけ。鴨川ホルモーには出てた気がする。あっ、結局アニメ、全部見た??」
杉菜「1話だけ笑」
春「そうか笑、セリフ多いから、声優泣かせだって言ってた。」
杉菜「へー。」
春「夜は短し歩けよ乙女はそろそろDVDになってる気がするし、そっちも気になる」
杉菜「うん」

出町柳駅地上出口前

2人、歩きながら、
春「おー、今日は明るいから、鴨川デルタが良く見える。」
杉菜「ホントだ。」
杉菜「あっ」
鞄からイヤリングを取り出す。
杉菜「ほら、これ。あの、こないだ一緒に嵐山行ったときに買ったやつ。」
春なんとなく嬉しいが何ともないように。
春「あっ、ああ、イヤリングだったけ。」
杉菜「そうそう。」
春「イヤリングってあんまり痛くないの?」
杉菜「いや、これは痛い笑」
春「そうなのか・・・」
杉菜「でも、痛くないやつだと緩くて落ちたりする。」
春「へー、世の中よくできてるね。」

○緑道

春、八重桜を見つけて指さす
春「八重桜」
杉菜「さっき覚えたやつ笑」
杉菜「あっ、こういうのなんか好きなんだよねー」
杉菜、小さな小川を見ている。
春「なんとなくわかる笑」
写真を撮る、二人

○下賀茂神社に向かう道~河合神社

春、河合神社の案内板を見つける。
春「女性守護だって」
杉菜「へー」
春「いってみよう。」
そのまま、河合神社に入っていく神社内は女子力が高そうな人たちで、あふれている。服装、着物。
入り口付近に置いてある、絵馬を見つける。
春「なんだこれ、かわいいね」
杉菜「うん」
春、説明書きを読んで、
春「自分の化粧道具を使って、美人になれるように? 絵馬に化粧するって。」
春、杉菜の方を見る。興味がないというのはわかっているので、半笑いで。
春「杉菜さん、描きたい?」
杉菜「いや、いい笑」
春「・・・必要ないね笑」
春と杉菜、奥に歩いていく。
杉菜「・・・、みんな綺麗になりたいんだね」
春「あっでた、またそういうこという」
杉菜「だって、ほらみんなもう、綺麗にしてるのに」
春「うーん笑(杉菜さん元から美人だもんな・・・)」
歩いていると、絵馬が掛けてあるところに着く。
杉菜「まるちゃんみたいで、かわいいね」
春「うん。これとか」
杉菜「あ、かわいいね」
春「見てるとあれだね、ほとんど絵馬を輪郭として捉えてるけど、輪郭も描いている人いるね。」
杉菜「ホントだ、これとかも、全然無視してる笑」
春・杉菜、笑いあう

○下賀茂神社に向かう道

春「こんなに広いんだね」
杉菜「うん、通勤で通ってる人もいるらしい。」
春「へー、なんかご利益ありそう」
杉菜「私も、家の近くの神社通ってるんだけどさ。」
春「おっ」
杉菜「たまにいいのかなって思う。逆に通り道にして、罰当たりかなって」
春「そんなことないでしょー。なんか、悪いことあった?」
杉菜「神社通り抜けたあたりで、財布忘れてるのに気づいてああ・・・ってなることはたまにある」
春「・・・それは普通に忘れ物じゃない」
杉菜「ふ(笑)、罰あたったかなーって」
春「それを神のせいにする方がよっぽど罰当たりだよ~笑」
杉菜「あっ、確かに」
二人わらっている。
すると、目の前から馬車がやってくる。
杉菜・春「おおー」
春「馬おっきいねぇ」
杉菜「うん、よそ見しないように顔の横にこう、ガードがついてたね」
馬、通り過ぎた後に、糞が転がっている。
女の人が降りて糞を片している。
春「あ、まだそこ糞が残ってる」
春は、自分たちより少し前方の道を指さす。
杉菜「ほんとだ」
ちょうど、そのタイミングでカップルが糞のところを歩く
杉菜・春「あっ」
カップル糞には気づいてないが偶然にも糞と糞の隙間を歩き踏まない。その動きに合わせて声を出す二人
、杉菜・春「あーあー、おー。」
春「・・・運いいね」
杉菜「エスパーかも」
杉菜・春「ふふふ」

○下賀茂神社・干支のお社~奥

自分の干支のところで、お祈りしている2人。
奥のお社まで、歩きだして、
「ね」と書かれているのを見て
春「ひらがなにすると、妙にかわいいとかあるよね。」
杉菜「わかるかも」
春「駅名とかね、で・ま・ち・や・な・ぎ」
杉菜「ふふ。と・と・ろ」
春、深く頷く。
春「そうそれあったね」
春「水きれーだね。写真撮っていい?」
杉菜「うん、なんかー、ほのぼのしてていいね。」
春、改めて周りを見渡す、日も少し落ちてきて、家族ずれ、友達、みんな楽しそう。
春「そうだね」
二人、進む。
顔はめ看板がある。
春「あっ、これは。撮るしかないねぇ、杉菜さん、お願いします」
杉菜「えー、上手く表情つくれる自信ない」
春「お願いします」
杉菜「ほむがやってよ」
春「えー、だって看板の女の人だ・・・」
杉菜「・・・」
杉菜、もうスマホを構えている。
春「あー、ずるい。構えられたらもうやるしかないじゃん」
杉菜、笑顔。
春「こんな感じでいい?」
顔ハメしている、春。
看板が女性のため、不格好。
杉菜「うん笑」
杉菜、笑いながら近づいて、連写している。楽しそう。
春、杉菜が楽しそうなので楽しい。
春「近い、近いー笑」
と、顔はめ看板から、顔を外す。
春「おっ」
浴衣で水占いをする、女性二人
春「あっ、あれ水占いじゃない?」
杉菜「あー、懐かしいねぇ」
春、意を決して。
春「やろー」
杉菜「うん、やろー」
すんなりしてもらえて嬉しい春。

○同・売店

入ってすぐに団子の箸置きがある。歩きながら、
春「かわいいね、これ」
杉菜「ほんとだ、けっこうリアル、動物のもかわいいね。」
そのまま奥につき。
春「あったよ、水占い。」
そこには水占いの紙が積んである。
春、上から2番目のものを適当にとる。
杉菜、慎重に選んで上から、30枚目くらいのものを取る。
春「選んだねー。」
杉菜「選んだ笑」
レジに向かいながら、
杉菜「あっ、誕生日プレゼント。まだ、買ってなかったね。さっきの箸置きどう?」
春「え? いいよいいよ。」
杉菜「買うよ、買うよー。」
春「ありがとう、じゃあ・・・こっちの三食団子の方にしようかな。」
杉菜「みたらしは?」
春「あんまり綺麗な色でもないし、いいよー」
杉菜「ホントに?」
春「ん?」
杉菜「いいの? 一つで(謎の圧)」
春「な、なら2つお願いしようかな。」

○同・売店前

杉菜「はい」
春「うん、ありがとう大切に使うわ」
杉菜「うん」
春「よーし、やるか水占い」
杉菜「おー」
二人、そのまま水場まで持っていく
杉菜「じゃあ、まずお願い」
杉菜、動画の用意。
春「笑、わかった」
春、水をつける。
春「あっでてきた、小吉ってでてる・・・」
杉菜「あ、どんどん濃くなってきた。」
春「願い事、他人の世話よくすれば叶う、不調を覚えたら病院へ行く、金運、買い物して楽しい日、学業、努力なくして向上なし。恋愛(二人半笑い)諦めて再出発せよ。旅行、近場の旅行ならよし。」
杉菜「おー」
春「全然守ってない、全然守ってない。」
杉菜「ははは」
春「じゃあ次、お願いします」
杉菜「これもう、ドバっとつけてた?」
春「あ、そんなにつけなくても大丈夫そう。後ろだけでも」
杉菜、水につけている。
杉菜「あ、やったー。大吉」
春「・・・そういうとこあるよね笑」
杉菜「願い事、善を詰め全事叶うなり、体調、出だし不調でも徐々に回復する。金運、意外に出費がかさむ。学業仕事、努力が報われる。恋愛、真心の積み重ねが通じてよし。旅行、さわりなし。」
春「問題なし、みたいな」
杉菜「やったー。やったー。来たね」
春「流石だわ」
春、杉菜近くのところで、おみくじを結んで。その横でお参り。
春が二礼してるところに杉菜が話しかけてきたりして、中断してしまった、と、笑い合う。

○みたらし茶屋への道中
楽しそうに二人歩いている。

○茶屋

春「ここが。おいしいといいね」
あべかわ。あべかわはあまりメジャーではないようで、店員さんが説明してくれたり、他の客に説明したり。杉菜はみたらしを気に入る。あべかわ餅が大きい。裂く杉菜が可愛い。

○駅への道中

グループ行動の話、絶対絵馬書いてるよね。小ぎれいにすることの面倒さ。
自分の匂いの話虫の話

○鴨川デルタ

集団怖い。小さい子がデルタを渡り切るのをほほえましく見る

○電車

ういろう好き?

祇園四条

特に何もなく歩く、綺麗な外観、個性豊かな外国人観光客、着物の女性、盛り塩を触って怒られる子ども

○八坂神社

お化け屋敷を境内でやるのってありなの話、写真撮ってと頼まれる

○駅への道

漢字ミュージアム、お腹空いた?

藤森駅


藤森駅近くの飲食店

告白された話、友達すごい。精神的な疲弊の話、気になる人の話。誕生日プレゼントの話。
「そういう風に見えない」
杉菜「でも、そんなわかりやすくある必要ないと思う。」
励ましが嬉しい春。新人の指導もあって、疲れているからうれしいと杉菜。喜んでくれた。

藤森駅

春「でも、当たり前、京都には遊びにしか来てないから。楽しいのが当たり前なんだ。きっと住んでたり、働いていれば辛いこともあるしね。そう考えれば、東京は好きになれない理由もわかる気がする。」
杉菜「でも、このへんはいいところだよ。住みやすいよ。」
春「うん笑」
杉菜「なんか、ほむって。近くに住んでるみたい」
春「ふらっーと来るからね。・・・今日ありがとう。また来るわ。」
杉菜「うん。」

記憶に消えても

いくら未練がましく思う気持ちがあっても、
だんだん俺のことはもう好きじゃなくていい。
幸せに生きていてほしいという境地になる。
結局自分に自信が無かったのか、
好きな理由に自分を好いてくれてるというのがあったんだろう。
でも、時間は流れる。もうどういう風に好きだとかよくわからない。
ただ未だに大切で、これまでの人生の中で1番大きい存在なんだと思う。
1番大切な人から、友達に、そしてなんでもなくなっていく。
だんだんと自分が消えていく感覚。それはもう始まったら止めることはできない。
きっと自分がどうなってしまおうと、
もう届かないのだろう。
それでいいのかもしれない。
好きなんだよ。今でも。

はい、どうもー。
よろしくお願いします。

男1:あのなぁ、ちょっと俺最近やりたいことあるんだよね。

男2:はいはい、どうぞ。漫才では何にでもなれるからね。やってみよう。
なんになりたいの?
男1:満員電車に乗る人になりたい。

男2:満員電車に乗る人?
いやなんでそんなのになり…

男1:(食い気味に)東京って言ったら満員電車みたいなとこあるやん。俺もあのぎゅうぎゅうの電車なりたのよ。地方に住んでるから。経験したことないことは憧れだからね。

おっおう。
そうね、地方に住んでたらまぁそういう人もおるかもしれんね。
じゃあまあちょっとシュミレーションでいいから一緒にやってくれない?
ほいよ。
サーーカタカタサーーカタカタ
いやそこはガタンゴトンで…
リアルに再現したい!!
ガタンゴトンとかよく例えられるけど、今これ俺リアルにしたいから。
憧れ強すぎてユーチューブで電車の動画毎日見てるけどずっとガタンゴトンは言ってない。そんな何回も連続してのガタンゴトンはない。

えーそうなの…
てかお前、毎日見るってちょっとキモく…

ちょっちょっと、ちょっと待って。
え?今きもいって言おうとした?

う、うん

はぉ、
憧れを追求する人間をキモいとかいうやつの方がよっぽどきもいわ!!
プロサッカー選手になりたい子どもが毎晩サッカーの動画見てるのお前きもいとかいえんのか?あー!!!?


あ、たしかにな、ちょっと今のは俺が悪かったわ。なんかごめんな、ちょっとツッコミたくなってて今。なんかそれが漫才だと思ってたところあってな…なんかな、ごめんな。

いいよ(満面の笑み)
いいやつやんお前…そしたら続きやろう。
うん!
くぉー、お前可愛いなー!

ごめんちょっと静かにして。
あ、はい。

サーカタカタサーカタカタ。
サーカタカタサーーカタカタ。
ボケの方なにかに気づき、円を作るようにぐルグル回る。
なにやって…
おばあちゃんいるのよ。
ぎゅうぎゅうにならんように、周りぐるぐる回って隙間作ってる。
こういう東京のおばあちゃん守りたいから満員電車乗りたい。ほんとはな。
俺おばあちゃん子やから。

いいやつやんお前…

おばあちゃんの話でよー覚えてんのがあるわ、もう今は亡くなってるんだけどね。
うんうん。

よくお菓子くれたんだよ…
それでね、ある日おばあちゃんがおまんじゅう買ってきてくれたことがあってね。
うんうん
それを夕飯前に食べたのよ、お母さんにバレたら夜ご飯食べれなくなるでしょ!って怒られるから、こっそり食べた。
それでな案の定、夜ご飯食べれんくて、めっちゃお母さんに怒られた!
めっちゃ泣いたわ〜、ははは。

え?なにその話、別に感動的でもなんでもないやん。
聞いてた時間かえせや!!!←やっとつっこめて嬉しそう

ごめんな。

え?…

まぁでもなぁ、それがおばあちゃんの思い出ですごい残ってるやつやから。
誰かに聞いて欲しかったんだよ。
でもごめんな、お前にとってはつまらん話よな…

ごめんな、なんかな。
ごめんな、またちょっとツッコミたくなってた。ここぞとばかりにツッコンでしまった。
なんの話やねん!!みたいなそういうよくあるツッコミ入れたかった…

時間返せよ!!の時すっげー笑顔やったもんね……

うん、ごめんな…
ごめんごめんごめんって……あぁぁぁぁーーー!!!
気分良く突っ込ませてくれよおおおおお!!
なんでさっきからボケと思わせておいて
それっぽいこと言ってくんだよ!!
だいたい電車の話からなんでおばあちゃんの話してんの?
漫才これ!漫才!わかってる?
ちゃんとボケの役割果たしてくれよ!!

俺漫才とかよりお前とただこうやって話たかっただけでさ。お前といえばツッコミツッコミばっかで俺の話聞いてくれないから。

ごめんんん!!!!
んーーーーー!!仲良し

ありがとうございました。

今日夜ご飯なに食べる、
お前の好きなもんでいいよ。じゃあお前の好きなすき焼きな…
とか言いながら舞台去る。

黄色いレインコートの男の子

何気ない日常を好奇心をもって楽しむ男の子の話
特別どこかに行ったりとか劇的な出来事は起こらないけどひたすらに日々を楽しむ小学生の男の子の話
口数は少なめ
よく笑う
オチというオチもなくただのんびりとして終わる
ただそこにある日常を楽しむということの大切さ。


ジリジリ
子ども部屋
目覚まし時計が鳴る(ベル式)
時間は5時半
男の子止めようとするが寝ぼけてて止め方を忘れて真ん中の部分をつかんで抱きかかえて寝る

 

わがまま

だいたい人間関係の根幹なんてそこなんだよ
みんな自分と、同じくらい、相手に返しもらおうとするわけ。
例えば恋愛だってそうだろ。
好きで終わってたらいいのに、相手におなじように好きになってもらおうとするからややこしいことになる。
あと恨みとかもそうだよ、だいたい嫌いとかもそうだよな
自分の望んだ反応を相手がしてくれないからそれで嫌いになってんの。
ほんとにみんなわがまま。わがままだよ。